私たち神戸ミャンマー皆好会では、ミャンマーの農業支援の拠点となっているピンウ-ルィンでさまざまな活動を実施しています。そのいくつかをここでご紹介します。
(注)2015年現在、梅林はミャンマーの方の個人の所有になっていますので、ご訪問されても見学できるとは限りません。ご注意くださいませ。
詳しくはブログ「ミャンマー好きなヒト集合」をご覧ください。
 
 【関係者の夢が叶い大きく成長し梅林】
 1998年(平成10年)10月に初代理事長である故中尾作藏氏が発案され、関係者に色々調査検討を依頼しました。常夏の環境でも良く結実する梅で、種は小さく肉質は柔らかく、梅干にも梅酒にも適応できる「二青梅」を選定しました。
 2001年(平成13年)12月、ミャンマーに梅を植えるという夢を実現するために挿し木した梅苗150本を持って関係者が飛びました。マンダレーから約70km東にあり、海抜1,100mほどにある高原の街ピンウールィンの郊外にある村に夢の梅苗を植樹しました。
 その後毎年2回は会員が訪問し、土壌改良や水の管理・施肥の仕方の工夫など、大変でしたが農民たちに指導しました。2011年(平成23年)には関係者の願いが叶い大きく成長して立派な梅林になりました。
(注)2015年現在、梅林はミャンマーの方の個人の所有になっていますので、ご訪問されても見学できるとは限りません。ご注意くださいませ。
 
【たわわに実る梅】
 植樹して10年目を迎えた頃には梅の実を4トン収穫できました。和歌山「南高梅」の本場から、梅樹の研究者と梅の加工製造販売の専門家2人に参加して頂き、80㎏を梅干に、85㎏を梅酒に加工するご指導を現地農民にして頂きました。梅酒3,000リットル(氷砂糖漬け) と 梅酒1,000リットル(氷砂糖・椰子黒糖漬け) 梅干300キログラム(暑い所を考慮して本来の梅漬け塩分を%にしました。)が加工されました。
(注)2015年現在、梅林はミャンマーの方の個人の所有になっていますので、ご訪問されても見学できるとは限りません。ご注意くださいませ。
 
【初代理事長の名前を頂き「作藏梅干」と「作藏梅酒」を試験販売
 2008年2月に梅干しと梅酒の試食・試飲を関係者にお願いし、味の確認をしました。梅干漬けは、現地の岩塩を使用し、塩の割合を梅の重量の20%で塩漬けし、30日以上漬け込み後、晴天で1~2日干して梅干にしました。梅酒は3種類に加工しました。
  ●一般的な氷砂糖を使用した梅酒
  ●砂糖きびを使用した梅酒
  ●シュロウ椰子の樹液で作った黒砂糖を使用した梅酒
いづれも持ち味が出た仕上がりになりました。中でも評判の良かった梅酒は、3つ目の「シュロウ椰子の樹液で作った黒砂糖を使用した梅酒」でした。梅酒の製造は大成功です。
 試験販売をするためには、ブランド化が必要になりました。これまでの故中尾作藏氏の農業支援の熱意を考慮し、名前を頂き、ブランドとして「作藏梅干」「作藏梅酒」と命名しました。将来ミャンマ-産ブランド商品に育て、農業支援の成功の模範としたい思いの大きいブランドです。
(注)2015年現在、梅林はミャンマーの方の個人の所有になっていますので、ご訪問されても見学できるとは限りません。ご注意くださいませ。
 
【灌漑のために作ったコンクリ-ト製の堰(せき)とそこで泳ぐ子どでもたち
 私たちの農業支援の拠点となっているピンウ-ルィン郊外にある梅農園に、常夏の環境下で梅の育成には、試行錯誤が続きましたが水管理が一番重要なことが分かり、2006年に小川の幅が約3mの広さになっている所に、コンクリ-ト製の堰(せき)を作りました。
 簡易水力自家発電・ポンプでの取水・農作物の洗浄・洗濯など多目的に使用できる堰止めです。小川にしたら随分立派な堰です。将来拡大する梅農園を楽しみに半永久的に使用できるものです。
 11月でも昼間は30℃近くあり、堰(せき)で貯められた水溜りで泳ぐ梅農家の近所の子どもたちです。素っ裸で気持ちが良さそうでした。
(注)2015年現在、梅林はミャンマーの方の個人の所有になっていますので、ご訪問されても見学できるとは限りません。ご注意くださいませ。
水ポンプを寄贈】
 農業支援として2001年12月にピンウールィン農園に梅の木150本を植林しました。梅の苗木を育てるために散水は欠かせません。農園の農民たちは18L缶をジョウロにしたものを天秤で担いで、小川で水を汲み、坂を上り苗木に散水していました。ミャンマーは乾季があり、雨が降らない日が続き農民たちは苗木を育てるために毎年この重労働を果たしていました。
 2005年11月に、明石西ロータリクラブの会員の皆さんがピンウールィン梅農園を訪問されて、「散水ポンプと上屋」(写真)を寄贈していただきました。散水ポンプの油代を手当てし、ポンプの稼動で農民たちが農園で働く励みになったと思います。2006年から梅の実が収穫できるようになりました。2006年に14kg、2009年には800kgを超す収穫ができようになりました。
 2009年2月にピンウールィン農園を訪問しましたところ、散水ポンプは農園の作物作りに広く利用されていました。
(注)2015年現在、梅林はミャンマーの方の個人の所有になっていますので、ご訪問されても見学できるとは限りません。ご注意くださいませ。
 
【こぶ牛を寄贈】
 神戸ミャンマー皆好会には明石西ロータリクラブから入会していただいている会員がおられます。時には、当会理事長が明石西ロータリクラブ総会で講演を依頼されることもあります。
2005年11月に、明石西ロータリクラブの会員の皆さんがピンウールィン梅農園を訪問して、こぶ牛2頭(写真)を寄贈していただきました。
 ミャンマーでは、こぶ牛は2頭立てで農耕や、荷車を曳く運搬作業に使われています。当会の梅農園では、農民たちがイチゴやにんにくなどを栽培しています。梅農園のこぶ牛たちは畑の農耕で活躍するとともに、牛糞が梅の木の良い肥料として利用されています。
(注)2015年現在、梅林はミャンマーの方の個人の所有になっていますので、ご訪問されても見学できるとは限りません。ご注意くださいませ。
 
【堆肥作りの指導】
 梅に対する肥料は、化学肥料窒素・燐酸・カリ3種混合は街で購入できます。当会は、無農薬で梅樹を育て、殺虫剤を使わない安全な梅を収穫するために有機肥料を作ることにしました。
 農具も揃ったので堆肥作りに取り掛かりました。先ず農民の皆さんに、幅4m×奥1.5m×深1mの堀を2ヶ所掘ってもらいました。熱帯性腐植土であり燐が不足しているため、これを補う堆肥作りは、1段ごとに牛糞と乾燥草、米糠、発酵促進剤を施し散水して、それを3段重ねにしました。
 堀は3段重ねで満杯になり、雨に掛からないようにブルーシートをかけまました。ブルーシートの下は、70~80℃まで熱を持ち発酵を促進します。1週間後に手前の堀(写真)へ酸素を補給のため移し替えを行い、3週間で完成しました。
完成した堆肥を梅の木の根本に漉き込むことにしました。
(注)2015年現在、梅林はミャンマーの方の個人の所有になっていますので、ご訪問されても見学できるとは限りません。ご注意くださいませ。
【手作りの農具を支援
 梅農園の農家には、堆肥作りのための農具がなく、堆肥の移し替え作業用のフォークもありません。さらに驚いたことに農民たちは農具を買うお金も無いということでした。
 早速フォークの絵図面を書いて、インド人の鍛冶屋さんに行き農具等を注文をしました。翌朝、鍛冶屋さんの行くと、特別注文のフォークのほか、写真にあるような農具が整いました。インド人の鍛冶屋さんは注文どおりの農具を一晩で整えてくれました。農民たちは早速柄を取り付けました。これで堆肥作りの作業がすすめられるようになりました。
(注)2015年現在、梅林はミャンマーの方の個人の所有になっていますので、ご訪問されても見学できるとは限りません。ご注意くださいませ。
 
 
【副収入のための小豆やとら豆の耕作】
 梅農園の作業のほか、副収入が得られるように小豆、とら豆、黒豆などを持って行き、植えてもらいました。翌年、農園を訪問すると、蒔いた豆類の収穫ができたとの報告があり、早速見せてもらいました。婦人の前の袋に小豆と、とら豆が袋に入れられていました。(写真) この他に黒豆も収穫されていました。
 当会の女性理事河東さんが農園を訪れるときに、缶入りの茹で小豆、砂糖、餅を持って行き、農園で「ぜんざい」を作って、農民に振舞ったところ、農民の皆さんは珍しそうに食べながら「美味しい」と言っていました。ミャンマー人は甘いものが好きなので、日本の食文化「ぜんざい」が普及すればと思います。
(注)2015年現在、梅林はミャンマーの方の個人の所有になっていますので、ご訪問されても見学できるとは限りません。ご注意くださいませ。
 
【除虫菊の栽培
 
 ミャンマーは地方に行くと、まだマラリアの発病が多いです。マラリア予防対策に和歌山県印南町の除虫菊栽培ボランティアから頂いた種子をピンウールィンの農園に蒔きましたが、1年目発芽が悪く失敗に終わりました。ミャンマーの季節は日本のように冬がありません。そのために発芽をしなかったのです。
 2年目はミャンマーへ出発まで冷蔵庫で保管した種子を持って行きました。これは見事に発芽に成功しました。
2008年2月、林副理事と権藤常任理事がピンウールィンの梅農園を訪れた時、ミャンマーの農民たちは作物の根を食う根切り虫に悩んでいました。しかし農薬は怖いので使いたくないと言います。そこで畑で根切り虫を3種類捕まえて、ティッシュペーパー3枚を広げ、指でつぶしした除虫菊の種子を紙の上に乗せ、それぞれに根切り虫を置いてみました。
 3分間、彼らは固唾を呑んで見守っていました。紙を開いて観るとそれぞれの根切り虫は反吐を出して死んでいました。彼らは歓喜の声を上げ、私たちもその効果に目を見張りました。
 これが有機農業とマラリア予防に役立つことを願っています。
(注)2015年現在、梅林はミャンマーの方の個人の所有になっていますので、ご訪問されても見学できるとは限りません。ご注意くださいませ。